2014年11月8日土曜日

「迷路」


迷路を描くのが好きな子どもだった。

描き出す迷路の形状は多岐に及び、曲線を駆使したもの、大きくスペースを空けたもの、
直線のみで構成したもの、などバラエティに富んだ迷路を生み出した。

鉛筆で手を真っ黒にしながら描きだしたそれは、
客観的に俯瞰してみると、なんともいびつな、執念がこもった一品で、
実に不気味なものだった。(そしてそれが好きだった)



記憶に残っている迷路がある。

私が描いた迷路の中でベストオブベストである。
それは、2人の従妹と合作したものだった。
2人は兄妹で、私より年上だった。
字もきれいだし、線もしっかりしている。
私が描きだした線の連続は、2人の描く線と繋がり、
今までに見たことのないストーリー性を持って一枚の画用紙に広がっていった。

落とし穴や、回り道があった。
うねうねと続く道を描く、大人な技もあった。

とても刺激的だった。



あの日出来上がった迷路を、しばらくは大切にしていたのに
今となってはどこにいったものか。

おかげで、私は一生、あれを超えるエキサイティングな迷路を
描ける気がしないのだ。





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